迫りくる自分

迫りくる自分

迫りくる自分

似鳥先生の作品とは相性が良いので読んでみた。他の作品と比べるとインパクトがないものの十分面白かった。
主人公の本田はある日自分とそっくりな人間に出会う。一時の間だけ一緒に酒を飲んだが、それ以降謎の着信があったり、あげくのはてには同僚を強姦した罪で逮捕されそうになり…。
自分と似た人間に出会ったらはたして冷静に向き合えるだろうか。その経験がないのでなんともいえないが、私だったら無理だろうな…。警察から逃げる為の本田の逃避行が壮絶で、最後に犯人に逆襲できた時はスカッとしました。犯人が低俗過ぎる…、本田が悪い部分もあるけどそんな昔のことをネチネチと持ちつづけるぐらいなら、もう少しまともな大人になれよって感じ。本田が最後にした選択が切ないですね、育ててくれた叔父と叔母の為、ということですが朴さんのいう通りなので思い止まってくれて良かったです。
個人的には朴さんが好きです。淡々としていて考えが読めないところ、なんだかんだで主人公に関わってピンチならば助けようとするところ、食べ方が独特なところなど動物園シリーズの服部君を思い出す(笑)弟思いのお兄さんも良かったです。
本田の日常が一日でも早く平和になりますように。