ねえ、委員長

ねえ、委員長 (幻冬舎文庫)

ねえ、委員長 (幻冬舎文庫)

三部構成の恋愛短編集。初の作家さんでしたが、読みやすいし内容も素敵でした。ふとしたきっかけで出会い、様々な苦難を乗り越えて別れる。そして再び大人になって再会する。話の骨組みとしては全てこんな感じ。本当にどれも純愛で皆青春してるなぁと思いました、私とは大違いだ…。
個人的にお気に入りなのは表題作の「ねえ、委員長」。真面目で優等生の繭子と問題児の鹿山。その組み合わせを聞いただけでも萌えます。鹿山は問題児扱いされてるけどきっと作中に出ている誰よりも純粋なんだろなと。だからこそ繭子は好きになったんだろうなぁ。そんな二人を引き裂くのは大人たち、家庭に問題があるというだけでつりあわないと決め付ける。子供だからこそ感じてしまう無力感、もどかいしいけどそれをバネにして編集者になって鹿山の小説を出版までこぎつけようとする繭子は凄い。
「YourSong」「泥棒の娘」も良かった。とても上質なラブストーリーが読めて満足です。