ぼくはこうして大人になる

幼い頃に少女として姉や兄から育てられた一。同性が恋愛対象であることを隠しながら、窮屈な世界で真面目に生きていこうとする一が切ない。
横暴だなと思いつつも、肉親たちが一を少女として扱った理由がとても愛情に溢れてて、また幼馴染みである健も乱暴だけどさりげなく一を支えてて、普通とは少し違うけど一は確かな愛情に包まれているなと。
自分の居場所に戸惑いながらも、七月と出会って変わっていく一。最後のキスの描写が可愛い。爽やかな結末で夏に読むのにぴったりだった。