あめふらし

あめふらし (文春文庫)

あめふらし (文春文庫)

梅雨の時に読むには最適な一冊。季節がずれてしまったのでもう少し早く読めばな~と思いました。
長野さんの小説は本当に雰囲気があって引き込まれる。全体的に霧の中にいるみたいな読み心地。現実なのか、はたまた夢なのか。そして時折でてくる長野さんらしい直接的ではない艶のある隠語がたまらない。最後に橘河と鷹司が再会できて良かった。「結婚指輪をしている人にぼくは何をいえばいいんです」「だったら外そう」という橘河と鷹司の会話、そして「寝ようか」とさらりと誘う橘河、この場面が好きです。
仲村さんがすきなのは市村弟で良いのかな?というか市村弟の正体は結局なんだったのだろうか。続編があったらなと思います。