ヨリックの饗宴<★★★★☆>
- 作者: 五條瑛
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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主人公の耀二、兄の栄一、兄の息子である裕之、この3人の関係がたまらなく萌える。正に血の繋がり故の関係といえる。栄一と裕之が耀二のことが大好きでついニヤニヤしてしまった。昔は尊敬できる兄だったのに、結婚して嫁や子供の裕之に乱暴して家を出ていってから兄を嫌いになった栄一。でも本当は父親が知らない内にしてしまった会社の不正を隠すために仕方なく好きでもない父の上司の娘と結婚した、全ては自分の家族を守るため。栄一にとっての家族とは母親と父親と弟である耀二だけ。その大切な人達をいくら血が繋がっているとはいえ、息子である裕之にすらとられたくないという栄一の思いは歪んでるように思えてとても純粋なんだなと。そんな兄を憎んだ時期もあったけどそれ以上に愛しいと思っている耀二、この二人の兄弟関係が個人的に好み。少しわだかまりがとけたようで良かったです。
烏に単は似合わない<★★★★☆>
- 作者: 阿部智里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/06/10
- メディア: 文庫
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なかなか若宮が登場してこなくて誰を選ぶんだ?と思ってましたが、合理的というか現実的というか。沢山のものを背負っている立場だから仕方ないんですけどね、「私は恋をしているわけでもお前を特別に思ってるわけでもない、もしかしたら切り捨てるかもしれない。それを受け入れる覚悟があるなら私の妻になってはもらえないだろうか」というプロポーズが切ないなぁ。政治体制を考えた上での選択だったけど、最期に二人の幼い頃の微笑ましいシーンがあって良かったです。
浜木綿も好きだけど最後に一皮むけた秋の君が素敵でした。白珠はきちんと好きな人と向き合うことができたようで何より。あせびに関しては何もいうまい、悪意がないからって何をしてもいいわけじゃないんだよ。若宮の「貴方のことが嫌い」発言で多少はスカッとしました。東家当主恐るべし。
ばけもの好む中将3 天狗の神隠し〈★★★★☆〉
ばけもの好む中将 参 天狗の神隠し (集英社文庫 せ 5-5)
- 作者: 瀬川貴次
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/10/17
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宗孝と宣能の友情も深まってるようで嬉しい。初草も可愛いですね、宣能は入内前に恋を知ってもらいたいということで宗孝を好きになってもらいたいみたいだけどそこんとこはどうなるんだろうな~。
そして政治要素ががっつりだった今巻。実は前に一の姉と宗孝の母親が女御の女房をしていたとは驚き。琴の件に関しては右大臣が悪いでしょうに。憎たらしい役割の女御だけど、彼女は彼女なりに女御としてのプライドとプレッシャーがあって同情しました。策略の張り巡らす宣能の父・右大臣、宗孝もきっと巻き込まれてしまうんだろうなぁ…。天狗のこともこれで終わりではなさそうな予感
。
3way Waltz<★★★★☆>
- 作者: 五條瑛
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/07
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由沙が本当に逞しくて、恭祐にもこれからそうやって生きていってほしいです。最初はグレたただの生意気な少年だったのに由沙が動き出して事件に巻き込まれて顔も知らない亡くなった母親がどういう人かを知るために旅をしていく内に人間として成長していく過程が良かった。お父さんが殺されたのは辛かったけど、後妻の子供たちにはうるさくないけど唯一血の繋がった恭祐には色々と口うるさくい。でもそれは恭祐を一番に愛しているから、その事実に気付いただけでもお父さんの思いが少し報われたようで安心しました。
育ったのは日本でも半分の血は○朝鮮、血の壁は険しいなとあらためて思いました。恭祐のお母さんが素敵な人で亡くなったのが余計に残念。
なにかのご縁2 ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う<★★★★☆>
なにかのご縁 (2) ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う (メディアワークス文庫)
- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/09/25
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今回はゆかりくんとうさぎさんにライバル登場。外国から来た由緒正しき家柄のお坊っちゃま・ローランとその家にずっと仕えている縁結びの神・ユリシーズ。良くも悪くも純粋で真っ直ぐなローラン、お坊っちゃま気質なところもあるがどこか憎めないキャラクター。最後のユリシーズとの別れにしんみりとしました。縁は縁でもそういう縁だったのかと。「夢」や「生」など色々な縁がでてましまね。縁結びとして一歩踏み出したローランに幸あれ。
ローランと比べるとゆかりくんは縁結びとしての才能があったんだなと。それにしてもゆかりくんと西院さんは恋仲にはならないのかな?特に進展がなくて残念。
月影骨董鑑定帖〈★★★✩✩〉
- 作者: 谷崎泉,宝井理人
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/富士見書房
- 発売日: 2014/10/09
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知識や技術はあるのに何故晴は骨董に関わりたくないのか。その理由がこの物語の軸の一つですね。信頼していた祖父が骨董の贋作作りにとりつかれていた上に信頼していた師匠がその仕事を与えていて晴までもが知らない内に贋作作りをやらされていた。その真実が傷になって骨董はもちろん真剣にやっていた彫刻も中途半端になってしまうのは悲しい。師匠との因縁はまだ克服出来てないようなので続き物なのかな?
個人的にはゴーイングマイウェイな幼馴染み・国崇が好きです。実家に帰ってあげなよ(笑)蒼一郎は少しウザい…。ミステリー的にはあっさりな印象。
黒と白の殺意<★★★☆☆>
- 作者: 水原秀策
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/12/05
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ストーリー自体は可もなく不可もなく。主人公が大人な上に冷静なタイプなので淡々とストーリーが進んでいく印象。殺された大村が変態過ぎて呆れた…。どこまでも囲碁バカな蒲生と主人公、ここまでくると微笑ましいですね。でも蒲生の言う通り啓太の才能は勿体ないよ…。
弟の言葉を考えると蒲生は主人公が思ってる以上に主人公のことを評価してるんでしょうね。結局のところ仁美は主人公ではなく弟の方が好きだったのかな?主人公は桐山さんにしとけば良かったのに。